北海道中央バスファンクラブ 制作・著作 KSK-PROJECT
中央バス廃線倶楽部 |
廃止された中央バス路線の思い出日記
市内線の消えたマチ砂川市内線(砂川ターミナル〜緑町経由〜北電アパート前) (コメント) その「緑町」の地名も条丁目制の施行で消えて久しいが....国道をひた走る「南7丁目経由」に対し、こちらは緑町や日の出町にあった東圧[*註1] の社宅街を迂回運行していた。 砂川はかつて東圧や北電火発など、企業城下町として栄えたマチ。現ホーマック向かいの映画館 東圧会館(現・宮川町)や東圧正門前にあった ドライブインいしかり もすでに消え、コンビニ等に様変わりしている。 終点の「北電地区」には ワットくん[*註2] で有名な北電の火力発電所があり、バスは従業員アパートが立ち並ぶタウン内を反時計回りにループしていた。停名もやたらと北電だらけだが、このあたりは橋や通りなどアッチコッチに北電の冠名がつけられている、何か深い因縁でもあるのだろうか.... 開設当時は北電生協(旧配給所)が終点だったが、こちらも90年代に廃業してしまい、公園前の跡地には待ち人を失った無人待合所が人知れず佇んでいる.... 緑町経由はH4年4月のダイヤ改正で廃止、H10年12月には南7丁目経由も相次いで廃止され、ついに砂川市内線は全滅した.... ★[*註1] かつて砂川市の大黒柱だった肥料会社『東洋高圧』のこと。S34年辺りから肥料業界の不況と海外貿易の圧迫で肥料価格が下落し、翌年からの合理化で市の1/3を占めていた人口もみるみる減少の一途をたどり、のち合併して現在は「北海道三井化学」に。H2年までJR豊沼駅から工場内に引き込み線も敷かれていた。 |
農村地帯の長大路線茂世丑線(岩見沢ターミナル〜茂世丑経由〜栗沢駅前) (コメント) 岩見沢〜栗沢間をメインルートの由仁国道(234号線)ではなく、道々夕岩線〜三笠栗山線〜茂世丑最上線の「裏街道」をひた走っていたローカル線。開設当時は三栗線を更に栗山まで至っていたもよう。[*註] 「精米所」「農協前」の停名でもわかるように、沿線は田畑の広がる農村部落。バスは民家が点在するのどかな一本道を走っていた。茂世丑局から西へと進路を変え、人家もない峠道にさしかかるが、このルートは景色や眺望がよく、廃止の惜しまれる路線のひとつである.... 岩見沢市内線にはかつてA・Bコースというヤケにハイカラな系統があったが、この路線にもかつてABコースが存在し、S30年代には岩見沢〜幌向〜栗沢〜茂世丑〜岩見沢間を大循環しており、幌向先廻りがAコース、茂世丑先廻りがBコースだった。Aコースの方はその後、北斗線(岩見沢〜北斗〜栗沢)に分離され、こちらもH3年3月末で廃止となった。 ★[*註] 開業時は岩見沢駅前〜(4条西10)〜六線十字街(現・中央バス岩見沢営業所)〜志文駅前〜長谷川商店〜農業協同組合〜上幌坂東〜茂世丑局前〜茂世丑第二〜鳩山第三〜雨煙別学校〜湯地神社前〜栗山駅前という大蛇のようなルートだった。 |
景勝地の消えたバス道路桂沢線(幾春別町〜桂沢ダム) (コメント) 桂沢湖は北海道初の多目的ダムとして、1957(S32)年に誕生した人造湖である。 バスはその旧道ルートを走り、桂沢覆道の手前(旧桂沢小前)から桂橋をわたり、ダム堰堤手前の新四国八十八ヵ所霊場[*註1]というかつて地蔵で有名だった原石山の山麓付近まで運行されていた。 かつての桂沢湖は、いまの支笏湖や洞爺湖に負けず劣らずの賑わいだったという。湖水まつりや花火大会が盛大に催され、湖畔の船付場からは遊覧船も出ていたが、いまは人影さえまばら.... "空知の一大観光地"と謳われた往時の面影もすでに消え、湖畔にたたずむ70年代風の桂沢観光温泉ホテル[*註2]だけが過ぎし日の盛況をモノ語っていたが、こちらもすでに閉館している.... ★[*註1] 桂沢大公園化の一環として、市内の信者たちが心のよりどころを建設しようとS35年春、浄財を集めて弘法大師像や天地火水などの仏像、八十八の地蔵など130体あまりを建立、開削した巡礼ハイキングコース。 |
伝説のテーマパークカナディアンワールド線(芦別駅前・芦別ターミナル〜カナディアンワールド) (コメント) バブル景気で当時アッチコッチに建設されたものの、バブル崩壊と拓銀破たんの余波でそのほとんどが姿を消し、いまや無用の長物と化している(マリンパークはかろうじて健在だが…) ちなみにカナディアンワールドとは、その昔TVアニメで有名になった『赤毛のアン』の舞台、プリンスエドワード島を芦別の山奥に再現した壮大なテーマパークである。 19世紀のカナダの街並みを忠実に再現したグルメタウンやキャラクターショップ、それに国内最大級のラベンダー畑(当時)が一面に咲き乱れる"夢とファンタジー"あふれる大リゾート地だったが、高額な入場料と中途半端な施設群が災いしたのか、莫大な借金を残したままH9年に閉園してしまった.... 全盛期には札幌から高速カナディアンワールド号[*註]も運行されていたが、こちらも閉鎖とともに終焉を迎えている.... 閉鎖後は芦別市が施設を買い取り、市営公園として無料開放されているが、すでに建設からウン十年の時が経ち、往時の華やかなりし面影はもう、ない。 ★[*註] 札幌駅前ターミナル〜カナディアンワールド間をH3〜H9年まで結んでいた中央バスの都市間高速バス。夏期の日祝・学休期だけ1往復しており、途中、赤平ターミナル、芦別ターミナル、北の京芦別入口、芦別温泉の4ヵ所に停車していた。 |