北海道中央バスファンクラブ 制作・著作 KSK-PROJECT
中央バス廃線倶楽部 |
廃止された中央バス路線の思い出日記
小樽で最初のバス路線1系統 小樽市内本線(手宮ターミナル〜若松) (コメント) この路線の歴史は古く、小樽乗合自動車[*註1]が大正10年6月、手宮〜色内川〜妙見川〜花園町第一大通〜若松町間で初めて小樽でバス運行を開始した由緒ある路線だったらしい。[*註2] 当初、この路線は市内もとより道内随一の運行回数[*註3]を誇っていたが、のちに出現した派生系統の2・3系統(昔はラッシュ時3分、日中4分毎)とルートがカブりまくっていたうえ、平日の朝夕ラッシュ時しか走らず、晩年はかなカゲがうすかった.... その反省からか、廃止後ながらく1系統は欠番だった。 奇しくも初代の終点「若松」を抜けるルートになったのもどこか因縁めいているような.... ★[*註1] 小樽乗合自動車は大正12年6月(大正11年7月説もある)に中央バス前身会社の小樽市街自動車(大正10年9月開業)に吸収合併。現在ショッピングモールになっている第一大通り(花園銀座通り)には、丸井前〜花園交番前〜松竹座前〜鈴蘭通〜入舟川(現・量徳寺前)の各バス停もあったもよう。 |
積丹半島の鉱山街稲倉石線(古平新地町〜堤の沢〜稲倉石) (コメント) 古平町にあった稲倉石鉱山もそのひとつで、バスは鉱山と古平漁港を往復していたが、閉山後のS57年に「堤の沢」に短縮され、その6年後に全廃した.... 中央バスではほかにも、余市から大江鉱山、豊丘鉱山、豊浜鉱山、岩内から茅沼炭鉱に向かう鉱山路線があったが、空知と同様に閉山化が進み、やがてすべての路線が姿を消した。 ちなみに、古平浜町〜出戸の沢間約1.6kmは、昭和49年ごろまで現在の道々古平神恵内線じゃなく、浜町郵便局から入る一本西ヨリの旧道を走っており、かつてこの道が稲倉石や神恵内へ向かうメイン街道であった。 終点の稲倉石はかつて小中学校や郵便局、娯楽センターなどもある鉱山街だった。閉山後の街の廃墟化はすさまじくマチが跡形も残ってない場合が多い。バス停のあった「稲倉石中学校」や「合宿所」などは今どうなっていることだろうか.... |
湾岸ロードを走ったバス余市港町線(余市駅前〜大川橋〜港町) (コメント) この路線は余市駅〜余市港の4km余りを結び、駅前から旧アーケード名店街(昔はニギやかだった…)を北上、大川十字街から西に進路を変え、道々余市港線をかつて"山碓町"とよばれていた港町(海上自衛隊付近)まで走っていた。 前身は余市駅前〜藤乃湯(富沢町)間を連絡していた『余市町内線』という路線。S44年秋に道々拡幅舗装工事の完成でルートを変えて港町まで乗り入れた。 もともと沢町の鈴木喜市氏が大正15年に余市駅〜余市神社間で運行を始め、その後、昭和15年に中央バス前身会社のひとつ余市臨港軌道[*註]が軌道営業廃止によって運行を再開(継承?)した廃止代替バスのようだが、この路線だけ駅前始発だったのもそのナゴリだろうか。 当時、大川十字街カドに案内所や売店、案内所を備えた2F建ての中央バス余市営業所(初代)という立派なバスターミナルがあり、港町線を除く郊外線はすべてココを起終点としていた。 営業所は車庫のあった富沢町にS49年移転(現在ラルズマートが再利用)、その後も富沢町⇒梅川町⇒大川町⇒梅川町と移転をくり返し、停名も余市営業所⇒大川十字街(S53-)⇒余市ターミナル(S60-)⇒大川十字街(H12-)とめまぐるしい変遷をたどっている。 ★[*註] 経営挫折した余市電鉄株式会社の権利を継承してS7年に設立、S8〜15年まで余市〜浜余市(S8.10当時は余市駅〜浜中)間を営業していたガソリンカー(ガソリン軌道)。社長はレールや鉄用品製造販売業者の東京・小島豊三氏。余市駅で省線と連絡していたが、戦時の国策に順応して余市町民の反対を押し切リ軌道廃止。S15年「余市臨港バス株式会社」を設立し自動車で代行運転していたが、S18の戦時統合で中央バスに組み入れられた。 |
廃線跡がICに...登線(余市駅前〜大登) (コメント) ちなみに、S20年代には始発の余市駅から15分ほど歩いたところに余市桟橋があり、ここから余市汽船の定期船が出ていた模様だが、これはM41年に石油発動機船としてスタート、T2年から蒸気船となり余市〜古平〜美国間を走らせていた北海道命令航路。本社は寛文9年「シャクシャインの乱」で有名な松前藩の茂入城のあったモイレ山(茂入城山)の茂入神社付近にあり、ここから「金勝丸」「金華丸」などの定期船が毎日発着していたとか.... しかし、S33年10月に海岸道路(いまの雷電国道)が全線開通して冬季もバスが入るようになり、その年に定期船の運航を休止。船の発着していた巨大な桟橋跡は埋め立てられ、イマは立派な余市河口漁港に変貌している。 |