北海道中央バスファンクラブ 制作・著作 KSK-PROJECT

中央バス廃線倶楽部

廃止された中央バス路線の思い出日記

小樽管内篇 その2

★印:レア度

小樽運河のウラ街道

[10] 勝納工業団地線(小樽駅前〜小樽港マリーナ)
平成2年4月10日開設〜平成11年4月1日廃止
★☆☆☆☆

《停車停留所》 小樽駅前 中央通 運河プラザ 港町 利礼フェリー 新日本海フェリー 工業団地中央 小樽港マリーナ (平成2年4月現在)

(コメント)
 ちょうど小樽運河の保存が決定した頃だろうか、運河を周遊する観光路線「小樽ロマン号」がS63年にスタートし、懐かしのボンネットバスで人気を集めていた。

 当時はバブルの真っ只中、全国で流行りだったウォーターフロント開発が小樽でも進められ、'84小樽博で注目されたマンモス埠頭、勝納(かつない)埠頭の埋立地に突如誕生した大型ヨットハーバー「小樽港マリーナ」に向かう小樽マリン号も平成2年から運行されるようになった。[*註]

 マリン号の走らない早朝と夕方だけ、ルートを変えて運行していたのがこの路線。日中はまったく見かけないという、かなりジミ〜な路線だった。

 沿線は観光客も訪れないような 寂れた運河倉庫 が続くウラ街道をひた走り、乗客といえば埠頭への通勤客やマリン号に乗り遅れた人が大半だったような…
 翌年、石原裕次郎記念館がオープンし、終点は小樽港マリーナ・石原裕次郎記念館という長ったらしい名称に変わったが、行先幕は「小樽港マリーナ」のままだった。

 当初は裕次郎記念館のすぐ前にバス停があり、多くの観光客でそれは賑わっていたものだが、その後近くに出現した巨艦スーパー「マイカル小樽」(現ウイングベイ小樽)のオープンでバス路線や観光客も山手側にシフトしてしまい、最近は裕次郎もめっきり影を潜めている......

 昨今の運河人気で、かつてのバスルート沿線には運河倉庫を改造したオシャレなスポットが続々オープンしているが、バブル期に誕生した豪華なウォーターフロントよりも、レトロ感ただよう小樽運河の方に観光客が集まっているというのも、まことに皮肉なもんである。

★[*註] 小樽港マリーナは小樽市、中央バス、北海道ヤマハ、西條産業、祝津マリーナ、丸井今井が出資する第三セクター「株式会社マリンウェーブ小樽」が運営主体となり、平成2年のバブル絶頂期、総事業費240億円で建設された全国有数の公営マリーナ。総面積9.3㌶の広さがあり、大型ヨットやモーターボートなど350隻収容できる基地や、センターハウス1階にはマリンショップなどの物販店、2階には展望レストランもあった。

懐かしの勝納工業団地線ダイヤ


瞬間風速で消えたバス

[23] 朝里循環バス(朝里ショッピングセンター〜朝里ショッピングセンター)
平成19年4月1日開設〜平成19年12月1日廃止
★★★★☆

《停車停留所》 朝里ショッピングセンター 朝里町 朝里病院 市営住宅入口 市営住宅前 道営住宅前 新光会館 新光町十字街 新光3丁目 朝里中学校前 柾里 新光2丁目 朝里ショッピングセンター (平成19年7月現在)

(コメント)
 この路線、近年にしては珍しく半年あまりで消滅した―。

 このバスはH19年4月、小樽・朝里町の鉄工所跡地にオープンしたスーパー、ドラッグストア、牛丼屋などの複合体(いわゆるショッピングモール)を起点とした有料のお買い物シャトルバスのような形で、閑静な住宅街に突如現れた。

 ホクレンショップ駐車場のド真ん中に仮設のりばが設けられ、オレンジの小型バス[*註1]でセマ〜イ住宅道路を周回していたが、起終点が単なるスーパーであり、駅やターミナルにも一切接続しておらず、運行半ばに停留所を増やすなど“テコ入れ”も行われた模様だが、集客が見込めず8ヶ月の試験運行にピリオドを打った.....

 ちなみに、以前は少し札幌寄りのラッキーやビブロスという本屋(現ローソン)のあったあたりが、小樽の玄関口として若者やファミリー層でヨナヨナにぎわっていたハズだが、現在はやや閑散としているもよう....
 その向かいにはかつて第一管区海上保安本部の送信所があり、送信所前(→元送信所→新光2丁目)というバス停もあり、昔は本線の終点名として市内では有名だった。

 この路線と同時にスタートしたのが兄弟路線の24系統「山手中通線」であるが、こちらは意外と利用が堅調なようで、現在も同様のオレンジバスで運行を続けている。

 しかし、相棒を失ったこの路線も小樽駅前のジミ〜な場所から発車する姿を見るたび、一抹のサビシサを憶えるのは私だけだろうか......

★[*註1] 札幌市清田区の『清田団地循環バス』向けにH12年導入された小型ノンステップバス。車両型式は日野製KK-HR1JEEE。江別の『大麻循環バス』や札幌の『厚別ふれあい循環バス』などに転用されたあと、現在は『山手中通線』専用バスとして小樽市内を縦横無尽に走り回っている。


うらサビしい…駅前広場

銭函・桂岡線(銭函浄水場〜ほしみ駅前)
平成7年4月1日開設〜平成10年12月1日廃止
★★☆☆☆

《停車停留所》 銭函浄水場 仲川商店前 桂岡会館下 薬大前 薬大入口 桂岡 保証牛乳前 銭函中学校前 銭函市民センター前 銭函駅前 信金前 銭函海岸通 銭函海水浴場前 職業訓練短大前 一鉄鉄工所前 銭函中央公園 星置川通 北海鋼業前 ほしみ駅前 (平成7年4月現在)

(コメント)
 平成7年3月にJRの駅ができて以来、一向に発展する気配をみせないほしみ駅。
 ここにかつて2社の民営バスが乗り入れ、切磋琢磨していた事実も、いまではほとんど忘れ去られている。

 この路線はS56年2月に、定員28人のマイクロバスで銭函浄水場〜一鉄鉄工所間でスタート。[*註1]

 その後、ほしみ駅の開業に合わせ終点を約2㌔延長して同駅に乗り入れたが、その際、急勾配で交通難所だった馬追坂のルートをやめ、道々銭函停車場線経由に切り替えられている。[*註2]

 ほしみ駅前のロータリーには中央バスの真新しい停留所が設けられ、ほぼ同時にJRバスも星置方面からこの駅に乗り入れたが、当時あたりに建物らしきものはサッパリなく、バス延長コースも民家まばらな工業団地とあって、空気輸送もほぼ同然で、数年で元の路線に戻されてしまった......

 あれから20年たったいまも『分譲中』の荒野がわびしく広がる駅前広場。しばらくネバっていたJRバスも、さすがに撤退を余儀なくされたようである…。

★[*註1] 一鉄鉄工所はいまの銭函3丁目付近(現・産鋼スチール) 。工場敷地内にバス転回場と乗務員の休憩所があったが、鉄工所の倒産で現在は撤去されている。
★[*註2] この改正で「保証牛乳前」が国道沿いに移動したが、桂岡〜保証牛乳前間はそれまで国道から一本海側に入った通称"軍用道路"を走っており、バス停もそのウラ道にあった。


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