北海道中央バスファンクラブ 制作・著作 KSK-PROJECT
中央バス廃線倶楽部 |
廃止された中央バス路線の思い出日記
洞爺湖温泉街を走った中央バス洞爺湖温泉線(千歳空港〜洞爺湖温泉) (コメント) だが、レジャーブームが高まりつつあった1986(S61)年、洞爺湖温泉観光協会からの陳情もあり、この路線は 道南バスとの共同運行 という形で開設された。 バスはテレビ・トイレ・ビデオ装備の 豪華ハイデッカー で運行されていたが、思いのほか利用が芳しくなかったようで、およそ10年で幕を閉じた。 終点は道南バスの洞爺湖温泉バスターミナルだが、この地上4階、地下2階建てのビルディングは同社が約10億円かけ、S45年5月に日帰りレジャー施設 洞爺サマーランド の本館として華々しくオープンしたもののわずか2年で閉鎖、同社の倒産に追い討ちをかけた"いわくつき"の物件。ここから長万部経由で函館へ向かうバスも道南と函館バスの共同運行で運行されており、この路線に乗り継ぐこともできた。 この路線の廃止によって中央バスは洞爺湖温泉街から撤退してしまったが、同時に開設された道南バスの『オロフレ峠経由』の方はいまも健在である。 ところで、中央バスの千歳以遠の路線エリア(独占運行できる領域)は一体どこまでなのだろう? ....と考えると結論は難しいが、ウトナイ湖(千歳〜苫小牧間)あたりが妥当じゃないだろうか。1970(S45)年まで「千歳ターミナル〜ウトナイ遊園地」というバスも走っていた。 |
支笏湖に散ったコケ路線支笏湖・苔の洞門線(支笏湖ターミナル〜苔の洞門) (コメント) かつてヤングやチビッ子に人気を博したモーラップ、ポロピナイ、オコタン、美笛の 4大キャンプ場 も「オコタン」と「ポロピナイ」(蛇塚地区)の閉鎖でずいぶんサビしくなった... その昔、ラブリーズ[*註1]の「紅すずらんの伝説」の舞台にもなった場所だが、よもや憶えている人もほとんどいないだろう.... モーラップにはS34年から昭和末期まで中央バスのモーラップ線(支笏湖畔ターミナル〜モーラップ)がレジャーに勤しむ若いキャンパーらを夏休み期間限定で運んでいたが、これはその路線を約8km先の苔の洞門[*註2]まで単に延長、復活させた路線である。 終点である苔の洞門は、樽前山の旧シシャモナイ登山口近くにあり、かつては「シシャモナイ」(支寒内)の名称で千歳からニセコ、洞爺湖畔へ向かうバス、昭和30〜40年代には奥支笏湖へ向かう支笏湖観光バスの「支笏湖畔〜オコタン線」[*註3]も停車していたが、この路線だけ駐車場ワキの一角から出ており、夏場(6〜10月)だけの運行にしては乗車率もわりとよかったように思う。洞門内もけっこう観光客で賑わっていた。 しかし、平成13年6月に発生した 岩盤崩落 で洞門内が立入禁止となり、バスは翌年の運行を最後に10年以上も休止状態のままである.... ★[*註1] S53年6月に「紅すずらんの伝説」でデビューした女性アイドルデュオ。支笏湖に群生するという紅すずらんの物語をモチーフにした曲で、S53年の湖水まつりに師匠の平尾昌晃とともに来道、デビュー曲発表会を行った。 |
ナゾの空港循環バス空港内循環バス(NEWS前〜新千歳空港〜NEWS前) (コメント) 始発となるNEWS(ニューズ)はJR南千歳駅の国道を挟んで向かい側にあった三セクのショッピングモール。平成7年3月に道などが出資し、旧千歳空港ターミナルビルに鳴り物入りでオープン。おもにジーンズなど輸入衣料や雑貨、アウトドアショップなどが入っていたが経営悪化で3年あまりで閉鎖…。アキ家同然だったビルは平成13年に解体され、跡地はグリーンベルトの残骸が点在する殺風景な更地と化している。[*註1] この路線は旧ターミナルビルの空港職員専用駐車場と新空港を結ぶ 特定路線[*註2] として開設されたが、NEWSのフタ明けで終点名を一新したものの、ショッピング目当ての乗客はあまり乗っていなかったもよう。大半の乗客が空港関係の駐車場利用者であった。 ★[*註1] かつては南千歳(旧千歳空港)駅から36号線、駐車場、グリーンベルトをまたいでNEWSの入っていた旧空港ターミナルビルまで長大な連絡橋が通じ、旧空港時代はJRと空港をつなぐ乗換通路として使われていたが、現在は一部が歩道橋に転用されている。旧ターミナルビル駐車場跡地は、2014年から千歳基地航空祭シャトルバスの臨時のりばとして再利用されている。 |